今日、とあるお店でTRB1005Jの試奏をした。その所感を記そうと思う。
ポイントは以下の3つだ。このブログにたどり着いた運のよい人のために、忌憚の無い、偽りなしの素直な所感を書こうと思う。
  1. 作りの甘さ
  2. 音色の薄さ
  3. 握った感じは良い。
まず1の作りであるが、かなり作りが甘い。
ネックとナットの接合部分などは高校生の工作品といった感じで、粗が目立つ。
ネックやヘッドそのものも、どこか垢抜けていなくて、「木をそのまま切り出して楽器にしました」感が強い。勿論、ベースを初めて持つ人がTRB1005Jを持ったなら、すごく高級機種に思えるだろう。
しかし、BBP35との比較が可能な今、TRB1005Jに魅力を感じなかった。
BBP35と比較すると、細部の繊細な仕上げのレベルが一目瞭然だ。BBP35の方は、ネックが非常に滑らかで引っかかるところが一切ないし、指板も非常に滑らかだ。一方TRB1005Jの方は、木材表面の仕上がりが粗い。トゲこそ無いものの、触れた感じが、やはり「材木」という感じ。繰り返すが、日本製のBBP35を知らないうちなら、「こういうものなんだ」で済むレベルの極めて微妙なラインの話である。


次に2の「音色の薄さ」であるが、音色に奥行きの深さがあまり感じられなかった。アクティブベースだから回路の都合上、パッシブより音が薄くなるのは当然だ。しかし、そこに「哲学」らしい深みがない。音色にモノづくりのトップを走る「ヤマハの魂」みたいなものが感じられない。これは練習のモチベーションにかなり影響をあたえてしまう様に思える。これはがっかりポイントである。しかし、出音の反応はとても早く、しっかり前に出てくれる印象はあった。

最後に3の「握った感じ」であるが、木材の質ということではなく、ネックの太さや指の届き方という観点では、とても良かった。5弦ベースではあるが、アトリエZのベータ5より届きやすい感じがした。

まとめ
購入には至らないというのが結論だ。
ネットで見て、ルックスが良いので購入しようかと思ったが、試奏をしてよかったと思う。
BB734を試奏の際もイマイチだなと思い、購入をためらった結果アトリエに行った。
今回の経験から得られた教訓は「作りの質は音色に直結する」ということだ。
練習のモチベーションや音色の良し悪しへの影響、安い買い物ではないために頻繁に買い換えられるものではないことを考えると、高くても1本良いものを買うべきであるという結論に至る。